赤ちゃんのうつぶせ寝は危険!対策方法や注意点を詳しく解説
2021.10.01
育てる
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仰向けで寝ていた赤ちゃんが気付いたらうつ伏せになっていて焦った経験のある方も多いのではないでしょうか?
一般的には月齢の低い赤ちゃんのうつぶせ寝はなるべく避けて、仰向け寝にする方がいいと言われていますが、実際どういった危険が潜んでいるのでしょうか?この記事では赤ちゃんのうつぶせ寝の危険性や対策方法と注意点を解説していきます。
「いつぐらいからうつぶせ寝になってもいいの?」「寝返り防止用のクッションは使っても大丈夫?」「仰向け寝で頭の形が悪くなるって本当?」といった疑問にも答えていきますので、赤ちゃんのうつぶせ寝についてお悩みの方はぜひ参考にしてみてください!
目次
赤ちゃんのうつぶせ寝にはどんな危険(リスク)がある?
一般的に赤ちゃんのうつぶせ寝は危険なのでなるべく避けた方がいいと言われています。ここではうつぶせ寝が危険と言われる理由をご紹介していきます。
窒息の危険がある
赤ちゃんのうつぶせ寝で一番注意しなくてはいけないのが窒息のリスクです。赤ちゃんは一人で寝返りをすることができないので、うつ伏せで寝ると赤ちゃんの顔が布団や枕・クッションなどに埋まってしまい呼吸ができなくなってしまうことがあります。
特に月齢の低い赤ちゃんは、呼吸ができずに苦しくなっても寝返りをしたり、自分で顔を動かして呼吸のできる状態にすることができないので要注意です。
子供の近くにいてすぐに対処ができる日中などは大丈夫ですが、夜寝ている時は子供の異常にすぐに気付くことができないため、なるべくリスクを減らすためにも仰向けで寝かせてあげることが大切です。
乳児突然死症候群(SIDS)のリスクが高くなる
乳児突然死症候群(SIDS)は、窒息とは別で特に何の予兆もない状態で乳幼児が死に至る原因不明の病気です。厚生労働省の発表によると、令和元年に78名の乳児がこの乳児突然死症候群(SIDS)で亡くなっており、乳児期の死亡原因の第4位となっています。
この病気の明確な予防方法などは確立されておらず、うつぶせ寝・仰向け寝のどちらでも発症すると言われていますが、厚生労働省は「研究者の調査によりうつぶせ寝の状態の方が発生率が高いことが分かっている」と発表しています。
合わせて「できるだけ母乳で育てる」「赤ちゃんのそばでの喫煙は辞める」といったことも乳児突然死症候群(SIDS)の発生率を下げる効果があると言われています。
赤ちゃんの顔が見えない
仰向けで寝ている場合は、顔がすぐに確認できるので様子がおかしい時などもすぐに気付くことができます。しかし、うつぶせ寝の状態だと顔を見ることができないので、体調が悪かったり何か様子がおかしい時に気付くのが遅れてしまうことがあり注意が必要です。
特に、赤ちゃん自身の手で顔や口を覆ってしまっている場合などは窒息のリスクがあるのでなるべく顔の見える仰向けで寝かせるようにしましょう。
吐き戻した母乳やミルクが喉に詰まってしまう
母乳やミルクなどを飲んですぐにうつぶせ寝をしてしまうと、赤ちゃんが飲んだものを吐き戻してしまうことがあります。吐き戻して喉に詰まらせてしまうと、最悪の場合窒息してしまう可能性があるので、母乳やミルクを飲んだ後すぐにうつ伏せで寝かせるのはやめましょう。
授乳後はゲップをさせて落ち着いてから仰向けで寝かせるようにして、その後も寝返りを打たないように対策をした方が安心です。
歯並びが悪くなる可能性がある(顎関節症も)
赤ちゃんのうつぶせ寝は歯並びにも影響があると言われています。身体の中で一番重たいとされているのが頭なのですが、うつぶせ寝の状態だとこの頭の重さが全て下顎や歯にかかってしまうことになります。
特に骨がまだ柔らかい成長途中の子供の場合、日頃からうつぶせ寝をさせていると少しずつ下顎や噛み合わせがずれてしまう可能性があるので注意が必要です。
いつも仰向けなのにたまにうつぶせが一番危険
うつぶせ寝をさせても大丈夫な一つの目安として、寝返りと寝返り返りの両方が自分の意思でスムーズに行えるという点が挙げられます。うつ伏せから仰向けに戻る寝返り返りがスムーズに行うことができれば、窒息のリスクはかなり減ると言われています。
しかし、寝返り返りのできない段階で、普段仰向けで寝ている赤ちゃんが寝返りを行なってしまうと、苦しくなった時に自分で顔の向きを変えることができないので注意が必要です。
1歳まではうつぶせ寝をさせないように(厚生労働省も推奨)
厚生労働省も「1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに寝かせましょう」と発表しています。大切な赤ちゃんの命を守るためにも可能な限りうつぶせ寝は避けて、寝ている時に顔に物がかかっていないか、苦しそうじゃないかなどをこまめにチェックしてあげるようにしましょう。
参考:【厚生労働省】乳幼児突然死症候群(SIDS)について赤ちゃんのうつぶせ寝の事故を防ぐための対策
赤ちゃんのうつぶせ寝はなるべく避けたほうがいいですが、知らず知らずのうちにうつぶせ寝になってしまうこともあるかと思います。ここでは、赤ちゃんがうつぶせ寝になるのを防ぐための対策法と、万が一うつぶせになってしまった場合のリスクを最小限に抑える方法をお伝えします。
硬めの敷き布団やマットレスを使う
ふわふわとした柔らかい敷き布団や低反発のマットレスに赤ちゃんを寝かせてしまうと、うつ伏せになった時に顔が埋もれてしまい息ができなくなってしまう恐れがあります。そのため、赤ちゃんと一緒に寝る場合は硬めの敷き布団やマットレスを使うようにしましょう。
可能なら赤ちゃん用の敷き布団を使うことをおすすめします。赤ちゃん用の敷き布団は、万が一うつ伏せになった場合でも窒息しないように硬めの作りになっているので安心です。
膝の下に硬く丸めたタオルを入れて膝を浮かせる
赤ちゃんの膝の下に硬く丸めたタオルなどを入れて膝を少し浮かせてあげると、仰向け寝がしやすくなり寝返り防止につながります。
ペットボトルに水を入れて腰元に置いておく
寝返り防止のために、赤ちゃんの横に障害物となるものを置くのも有効です。
おすすめはペットボトルに水を入れて置いておく方法です。2Lペットボトルの中に水をいっぱいに入れて、その周りにバスタオルなどを巻いておきます。蓋がついている方を下にして、赤ちゃんの脇の辺りにペットボトルの下部分が来るようにして置いておきます。
水が入った2Lペットボトルは赤ちゃんの力では動かすことができないので、寝返りをしようとしても寝返りをしようとしても途中で止まり、うつぶせ寝になることがありません。ペットボトルは転がってしまわないように四角形のものがおすすめです。
うちはポカリのペットボトルだと丸くて転がってしまったので、正方形のアクエリアスのペッドボトルに水を入れて使っています!
軽い掛け布団を使う
赤ちゃんの掛け布団は軽めのものを使うようにしましょう。重い掛け布団を使用してしまうと、赤ちゃんの顔に掛け布団がかかった時に自分の力で払いのけることができなくなってしまい最悪の場合窒息に繋がる恐れがあります。
敷き布団やマットレスは硬めのものを選べば大人と一緒に使っても大丈夫ですが、掛け布団はなるべく赤ちゃん専用のものを使ってあげましょう。
赤ちゃんを寝かせるときの注意点
赤ちゃんの周りに枕やクッション、ぬいぐるみを置かない
枕やクッションなどは赤ちゃんが寝ているうちに顔をうずめてしまう可能性があるので、周りに置くのはやめましょう。また、赤ちゃんのお気に入りのぬいぐるみやおもちゃなども顔をうずめたり口に入れたりして窒息の危険があるのでなるべく置かないようにしましょう。
ぬいぐるみやおもちゃが一緒じゃないと寝られないといった場合は、眠りにつくまでは近くに置いておいてもいいですが、寝たのを確認したら必ず離しておくようにしましょう。
シーツはたるまないようにぴっちりと敷く
敷き布団やマットレスにシーツなどを被せて使っている人も多いと思いますが、シーツのサイズが合ってなかったりズレてたるんでいたりすると赤ちゃんの鼻や口を覆ってしまう危険性があります。
せっかく硬めの敷き布団やマットレスを使っていても、シーツがたるんでいると赤ちゃんがシーツを口に入れてしまう恐れがあるので、寝る前に一度シーツをしっかりと引っ張ってたるみをなくしておくようにしましょう。
寝巻きはなるべく薄着にする
赤ちゃんが寝るときに厚着をさせてしまうと、寝返りが打ちにくくなってしまうので、寝ている時にうつ伏せになってしまった場合に仰向けに戻りにくくなってしまいます。また顔に布団がかかってしまった時に上手く払いのけることができなくなってしまうので、なるべく薄着にさせてあげるのがおすすめです。
特に、冬場は厚着をさせてしまいがちですが、室温で調節したり、スリーパーなどを使用して動きやすくしてあげることが大切です。また、身動きが取りやすくなるだけでなく、汗をかくことによる脱水症状や身体の冷えを防止することもできます。
スタイやフード付きの服、ヘアバンドは外す
スタイは赤ちゃんのよだれを拭くのに便利なアイテムですが、寝る時につけたままにしてしまうと気付かないうちにスタイが赤ちゃんの顔にかかってしまい危険なので必ず外すようにしましょう。
特に寝返りをしてしまいうつぶせ寝の状態でスタイが顔にかかってしまうと、布団やマットレスを硬いものにしても窒息の原因になってしまいます。
同じような理由で、フード付きの服やヘアバンドも窒息の危険があるので寝る際には使わないようにしましょう。
お昼寝の時などはスタイを外し忘れることがあるので気をつけましょう…!
寝返り防止用枕・クッションの使用はNG
寝返り防止用の枕やクッションなどのアイテムもありますが、過去に赤ちゃんが寝返り防止用枕やクッションを使用して窒息死をしたという悲しい事件が起きています。
消費者庁も寝返り防止用クッションなどを使用する際には注意が必要と呼びかけており、なるべく使用しない方がいいかもしれません。
1歳になるまではうつ伏せ寝をさせない方が安心
厚生労働省も乳児突然死症候群(SIDS)のリスクや窒息死のリスクを考えて、「医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合を除き、1歳になるまでは寝かせるときは仰向けに寝かせましょう」と発表しています。
ただし、1歳というのはあくまで目安なので、赤ちゃんによっては1歳を超えても仰向けで寝かせた方がいい場合もあります。ここでは、いつまでうつぶせ寝に注意をすればいいのか、判断する上で大切なポイントをご紹介します。
自分で寝返り返りができるようになるまで
赤ちゃんは成長に伴い自分の意思で仰向けからうつ伏せに寝返りを行うようになりますが、寝返りだけだとうつ伏せの状態から戻ることができません。
うつ伏せから仰向けになる寝返り返りを赤ちゃんが自分の意思で自然にできるようになれば、仮に顔が布団やマットレスにうずまって苦しくなっても自分の力で顔の向きを変えたり仰向けに戻ることができるので窒息のリスクは減ります。
こまめなチェックは忘れずに
寝返り返りが自然にできるようになり1歳を超えていても、リスクがゼロになるということはありません。万が一の可能性も考えて、なるべくお昼寝中も定期的に様子を見てあげることが大切です。
夜寝ている時にこまめに確認することはできないかもしれないですが、なるべく近くにいてあげて何か異変があった時はすぐ対応できるようにしてあげましょう。特に、赤ちゃんの体調が悪い時や引っ越しなどで生活環境が変わった時などは特に気にしてあげた方がいいかもしれません。
仰向け寝で頭の形が悪くなるって本当?
赤ちゃんの頭は大人と比べてかなり柔らかいので、仰向け寝を続けていると頭の形が絶壁になるのではと心配になる方もいるかと思います。
確かに、仰向け寝などで同じ姿勢を続けているとその部分に力がかかってしまい頭の形が少し変わってしまう可能性もあります。ただし、新生児の時は1日のほとんどを寝て過ごす赤ちゃんですが、成長するにつれて徐々に眠る時間が短くなってきます。
その分、寝返りやハイハイをする時間が増えてくるため、少しずつ頭の形も戻ってくるので安心してください。逆に頭の形が悪くなるからとうつぶせ寝にしてしまう方が窒息などのリスクが増えるので注意しましょう。
まとめ
赤ちゃんのうつぶせ寝は寝返り返りができない状態では危険なので、少なくとも1歳になるまではなるべく避けるようにした方がいいです。
赤ちゃんが自分の意思で寝返り返りができるようになったらある程度は自由に寝かせてあげても大丈夫なので、それも成長の一つとして見守ってあげましょう!