睡眠退行とは?生後4ヶ月頃に起こる理由と対処法を解説!
2021.10.13
育てる
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今まで夜普通に眠ることができていた赤ちゃんが、突然寝つきが悪くなったり、夜中に急に起きて泣き出してしまったという経験はないでしょうか?
赤ちゃんが夜に眠れなくなる原因はいくつか考えられますが、生後4ヶ月頃や8ヶ月頃に急に起こった場合は「睡眠退行」と呼ばれる現象かもしれません。
この記事では睡眠退行の意味や睡眠退行が起こる期間、原因、対処法などを詳しく解説していきます!
目次
睡眠退行とは?
赤ちゃんの寝付きが悪くなる原因の一つと言われている睡眠退行という言葉ですが、どういう現象なのかわからない方も多いかと思います。ここでは、睡眠退行の意味といつからいつまで続くのかについて説明していきたいと思います。
そもそも睡眠退行って何?
赤ちゃんは新生児の時期から3ヶ月くらいまでは1日のほとんどを眠って過ごします。成長していくにつれ段々と1日の睡眠時間が短くなり、大人ほど明確ではないものの昼は起きている時間が長く、夜は寝ている時間が長くといったように生活にリズムが出始めます。
しかし、今まで特に問題なく寝ていた赤ちゃんが、急に寝つきが悪くなったり、夜中に急に目が覚めて泣き出したりといったことが起こる場合もあり、これを「睡眠退行」と呼びます。
睡眠退行はいつからいつまで?
睡眠退行は必ずしも全員が経験するものではなく、睡眠退行がないまま成長していく赤ちゃんもいます。
睡眠退行が起こりやすい時期は個人差がありますが、一般的には生後4ヶ月ごろから始まり、8ヶ月ごろ、11〜12ヶ月ごろ、18ヶ月ごろ、24ヶ月ごろと数回に渡って起こります。
また、一度の睡眠退行が続く期間も個人差があり、1週間くらいで終わる場合もあれば、1ヶ月近く続く場合もあります。
睡眠退行以外の夜に起きる原因
赤ちゃんの寝付きが悪くなったり夜中に急に目覚めて泣くようになったからといって、必ずしも睡眠退行が原因というわけではありません。ここでは睡眠退行以外で考えられる理由を紹介していきます。
ミルクや母乳が足りていない
赤ちゃんの夜泣きで意外と多い理由がお腹が空いているということです。ミルクの場合は飲んだ量が把握できるため、足りているかどうかが分かりやすいですが、母乳の場合は飲んだ量を把握することが難しいので、思った以上に飲んでいないといったことが考えられます。
特に、母乳を飲んでいる間に眠ってしまうと最後の方は遊び飲みのような状態になっているので、そういった場合は足りない分をミルクで補ってみたり、遊び飲みにならないように途中で起こしてあげたりといった対策が必要です。
生活リズムの乱れ
お昼寝をしすぎたり、逆にしなさすぎたりといったことも夜に起きてしまったり寝付きが悪くなってしまう原因の一つです。
また、いつもよりもお昼寝をする時間が後ろにずれてしまったりすると、その分夜眠くなる時間もずれてしまうので、そういった変化により寝付きが悪くなってしまうこともあります。
不安
赤ちゃんは日々成長をしていますが、その中で少しずつ目や耳なども発達していきます。そのため、以前までは気にならなかったちょっとした物音でも気になるようになり、それが原因で夜目が覚めてしまうこともあります。
また、感覚も少しずつ敏感になってくるので、近くに誰もいないと思って不安になり急に泣き出してしまうこともあります。そういった場合は、なるべく近くで添い寝をしてあげて様子を見てあげるようにしましょう。
寝言泣き
赤ちゃんがよる急に泣き出したからといって必ずしも目が覚めているとは限りません。
ひょっとしたら寝言として泣き声をあげてしまっただけの可能性もあるので、そういった場合はすぐに起こしたりあやしたりせずに少しだけ様子をみてあげることも大切です。
うちも最初は泣き声をあげるとすぐに抱っこであやしたり授乳をしたりしていましたが、様子を見ていたら自分の力で寝てくれることもありました!
日中の活動不足
大人でも仕事を頑張った日やスポーツなどをして体が疲れている時などは寝付きがよく、逆にのんびりと過ごしてしまった日は寝付きが悪くなってしまうことがあるかと思います。
赤ちゃんにも似たようなことが言えて、日中しっかりとおしゃべりや寝返りをしたり、スーパーなどに買い物に連れて行って色々な刺激を与えてあげることによって疲れて眠りやすくなることがあります。あまり色々なことをさせ過ぎたり、長時間のお出かけはかえって体調を崩す原因になってしまうので避けた方がいいですが、適度な刺激を与えてあげることも大切です。
成長に伴うメンタルリープ
「睡眠退行」とは別に「メンタルリープ」が原因となっている場合があります。メンタルリープとは、個人差がありますが赤ちゃんの成長に伴ってある程度の決まった周期で起こるぐずり期のことを言います。
このメンタルリープは赤ちゃんの脳が発達することによって引き起こされる現象で、自分の変化や発達に赤ちゃんが戸惑うことがぐずりの原因になると考えられています。
一般的には、生後5周目、8周目、12周目、19周目、26周目、37周目、46周目、55周目、64周目、75周目に起こると言われていますが、これは成長の過程で起こることなので、メンタルリープによる寝ぐずりが始まったら赤ちゃんがちゃんと成長しているんだなと思って暖かく見守ってあげるようにしましょう。
メンタルリープに関して詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください!
睡眠退行が起こる原因
4ヶ月頃の原因
生後4ヶ月頃の赤ちゃんに見られる睡眠退行の原因は大きく分けて二つあると考えられています。ここでは、それぞれの原因を詳しく解説していきます。
感覚が敏感になっている
生後4ヶ月頃に見られる睡眠退行の一番の原因は五感が敏感になっていることだと言われています。生後4ヶ月を過ぎると赤ちゃんの脳や身体が発達してきて、段々と周りの音がよく聞こえるようになったり目が見えるようになってきます。
それに伴い夜寝ている時のちょっとした物音が気になるようになったり、逆に音がしなさすぎて周りにママやパパがいないと思って不安になってしまうことなどが夜泣きの原因となるのです。
睡眠パターンの変化
新生児の頃は短い睡眠を1日に何度も繰り返していた赤ちゃんも、生後4ヶ月を過ぎたあたりから段々とまとまった睡眠が取れるようになってきます。しかし、今まで短かった睡眠が急に長くなることによって脳がいつもと違った自分の状況に不安になり、泣き出してしまうことがあります。
8ヶ月ごろの原因
生後8ヶ月を過ぎた赤ちゃんに見られる睡眠退行は赤ちゃんの成長が大きく関連しています。ここでは、8ヶ月頃に見られる睡眠退行の原因を詳しく解説していきます。
脳の発達
この時期の赤ちゃんは段々と出来ることが増えてきて脳も身体も大きく成長してきて、その成長に伴い、「楽しい」「嬉しい」「悲しい」「不安」といった様々な感情も芽生えてきます。
色々なものに興味が出てきて目の前にあるものを取ろうとしたり、ハイハイを始めたり、つかまり立ちを始めたり、今まで出来なかったことができるようになってくる時期ですが、その分思い通りにいかないことも段々と増えてきます。おもちゃを取りたいのに取れない、ハイハイして進みたいのに上手く進めないといったことから不安や不満を感じるようになり、そういったマイナスの感情が原因となって寝付きにくくなることも多いです。
また、大人も日中の経験を寝ている間に脳が整理していると言われていますが、この頃の赤ちゃんにも同じようなことが言えるようになります。日中に起きたことを寝ている間に脳が整理し復習することにより、脳が休みづらい状態になっており、それに伴い睡眠が浅くなってしまうのです。
分離不安
生後8ヶ月を迎えたあたりから「分離不安」と呼ばれる症状が始まることがあります。分離不安とは住み慣れた自分の家やいつも一緒にいるママやパパが離れてしまうことに対して強い不安が生じることで、ほとんどの赤ちゃんが経験することです。
分離不安になった赤ちゃんは、ママがトイレに行っただけで後追いして姿を探したり、行かないように必死に泣いて止めようとすることがあり、姿を見ることができると安心して泣き止むことが多いです。一般的には、離れて行った人がちゃんと戻ってくるということを学習することによって自然に治っていきます。
分離不安が起こるのは成長している証ですが、この分離不安が原因で夜の睡眠退行を引き起こす場合もあります。
歯が生えることの不快感
個人差はありますが、生後8ヶ月ごろになると赤ちゃんの歯が生え始めます。歯が生え始めると痛みや痒み・不快感といった症状が現れるので、それが原因で「歯ぐずり」が始まることがあります。歯が生え始めることによる違和感で寝付きが悪くなったり、寝ている途中で急に目が覚めてしまいます。
また、歯の違和感によって食欲が無くなり母乳やミルクを飲む量が減ってしまうと、夜中にお腹が空いて目が覚めてしまうことにも繋がります。
11〜12ヶ月ごろは精神的な影響も
この時期になると睡眠退行は比較的起こりにくくなってきますが、日中あまり寝ることができていない場合や精神的なものが原因となって睡眠退行が起こることがあります。1歳を迎えた赤ちゃんは心身共に成長してきているので、日中の活動時間が増え刺激を受けすぎることで、夜眠る時に落ち着きがなくなっている場合もあります。
18ヶ月を迎える頃までは午前と午後もしっかりと寝かせることが推奨されているので、刺激を与えすぎて日中の睡眠が足りなくならないように注意しましょう。また、精神的にも少しずつ成長しているので、ママやパパがいなくなるということに対して強い不安を感じることもあります。特に夜寝ている時にふと一人になっていることに気付き急に泣き出すこともあります。
個人差はありますが、中にはこの頃から夢を見始める赤ちゃんもいるので、そういったことが影響して突然目が覚める、夜に寝るのが怖くなるといったこともあります。
対処法
生活リズムを整える
生後4ヶ月くらいになると少しずつ生活のリズムが身についてきて、日中と夜の区別も徐々についてきます。しかし、月齢や個人差によって必要な睡眠時間は異なるので、その子に合った睡眠時間を確保することが大切です。特に、朝寝・お昼寝の時間やタイミングはなるべく毎日一定にすることで、自然と体内時計が身についてきて、睡眠退行や寝ぐずりを起きにくくすることができます。
また、日中を暗い部屋で過ごしてしまうと朝夜の区別がつきにくくなってしまうので、なるべく日中は明るい部屋で日光を当ててあげて、夜はカーテンをしっかり閉めて暗い部屋で寝かせてあげるといったように生活にメリハリをつけてあげることも大切です。
睡眠環境を整える
赤ちゃんを寝かせるときの環境はとても大切で、部屋の暗さや温度が特に重要になってきます。部屋の暗さは、寝る前に少し薄暗い状態、寝るときは真っ暗な状態にするようにしましょう。また、室温は夏ならエアコンを使って25度〜27度くらいに、冬なら18度〜20度くらいを保つのがベストです。
冬の場合は厚着をさせたり毛布をかけたりするかと思いますが、赤ちゃんに厚着をさせすぎたり重い毛布をかけると身動きが取りづらくなってかえってストレスになってしまうこともあるので、なるべくエアコンなどで調整してあげるようにするのがおすすめです。
眠る前のルーティーンを決める
毎日の習慣として眠る前のルーティーンを決めてしまうことも大切です。例えば、うちの場合は「夜の19時頃からお風呂に入れる → 部屋の明かりを暗めにして着替えと保湿 → 入浴後のマッサージ → 母乳かミルク → 電気を消す」といった流れで寝かしつけを行なっています。
中々毎日同じ時間にお風呂に入れたりするのは難しいかと思いますが、ちょっとした変化で寝付きが悪くなってしまうこともあるので、可能な限り同じ時間に同じ流れで寝かしつけを行うようにしましょう。
添い乳や抱っこ癖を減らす
夜泣きや寝ぐずりが起きた時に、添い乳や抱っこをすることで泣き止んだ経験がある方も多いのではないでしょうか?夜泣きが続くとついつい添い乳や抱っこをしてしまうかと思いますが、これをしてしまうとその後も添い乳や抱っこなしでは寝られなくなってしまう場合があります。
そのため、可能な限り添い乳や抱っこは避けて、赤ちゃんが自分の力で眠ることができるように泣き出してもしばらく見守ってあげたり近くにいてお腹や肩をトントン叩いて安心感を与えてあげましょう。どうしても泣き止まない場合は添い乳や抱っこなどで寝かせてあげて、徐々に回数を減らしていくようにしていきましょう。添い乳の代わりに、一度起きてミルクを飲ませてあげたりするのも効果的です。
分離不安の対処
生後8ヶ月頃から起こることの多い「分離不安」による睡眠退行ですが、赤ちゃんが夜寝ている時に泣きだしたからといってすぐに対処をしようとするのではなく、しばらく様子を見ることが大切です。
泣き出してすぐに手を差し伸べてしまうと、赤ちゃんが自分の力で落ち着く力を育てることができず、無意識のうちに泣いたらママやパパが近くに来てくれると思ってしまうので、最初のうちは可哀想に感じるかもしれませんが少しだけ待ってあげるようにしましょう。
それでも泣き止まないようなら近くに行ってあやしても大丈夫ですが、なるべく赤ちゃんに刺激を与えないように軽い声かけや手をにぎったり肩をドントン叩いてあげるようにしましょう。
まとめ
せっかく赤ちゃんがしっかりと眠ってくれるようになったと思ったら、急に訪れる「睡眠退行」ですが、これも赤ちゃんの成長の上ではとても大切なことになります。今回紹介した対処法などで解決することもありますが、何をしても泣き止まないこともあるかと思います。そんな時はあまり考え過ぎないようにして、赤ちゃんがちゃんと成長してくれているんだなと思って暖かく見守ってあげるようにしましょう。
赤ちゃんの夜泣きや寝ぐずりが始まった時に、ママが寝かしつけや授乳を行うことが多いかと思いますが、時々でもいいのでパパも寝かしつけやミルクをあげたりしてあげてください。赤ちゃんもいつもと状況が変わることで泣き止むことがあるかもしれないですし、ママもリフレッシュできるかと思います!